ご存知ですか? 星まつり。

お盛物の荘厳法は、阿含宗独自のものです。開祖のご指導をいただきながら、京都地区の古い会員さん(故人)が中心となり、徐々に工夫を加えながら出来上がってきたものです。修行者が1から考え、自分たちの手でお供えするというのが基本となっています。

最も重要なのは、「神仏は何を喜んで受け取ってくださるか」です。私たちの真心を表すために、見た目にもきれいでおいしく、高級なものを選び、それをより美しく見せるために、ひとつひとつ丁寧に盛ってお供えします。その精一杯の心を神仏は受け取ってくださいます。
また、供養は「供えて養いとする」という通り、神仏にお供えするだけでなく、自分自身に備えるという意味もあります。つまり、私たちの心の奥底にある仏性に対しても備えるわけです。ですから、お供え物はきれいな面がこちらを向いています。これは「星まつり」に参拝に来られる方の仏性を呼び覚ますためでもあります。
         
正味1週間はかかります。具体的な設計図は前年の12月から作製し始め、それに基づいて材料を整え、お盛り物として完成させます。そして、「星まつり」の前々日の午後に搬入して、祭壇にお供えします。
鯛は前々日の朝に、日本中の港に水揚げされた中で、一番大きいものを魚屋さんが手配してくださいます。そして10日に搬入されます。

お仏飯のお米の量は、大きな仏飯器1つに対して2升です。全部合わせると4升炊きのお釜で4つ、合わせて16升炊きます。仏様と神様に、赤飯と白飯を一対づつお供えします。これも「星まつり」の前々日の午前中には済まさなければなりません。
神様のほうでは、お米とその加工品を見ると、洗米は格が高く、お米を加工したお酒はその次にきます。お酒の次が餅です。
次に位が高いのは鯛で、海の物では伊勢エビやアワビもお供えしています。水や塩は、祭壇の端に備えられます。
仏様ですと、あんこを使った甘いお菓子が高級とされます。
「星まつり」にふさわしい定番のものがあります。ズバリ「阿含の星まつり」。さまざまな色をしたチョコレート饅頭の包み紙を加工して、お護摩の炎の形を表現したものです。
野菜です。野菜はそれぞれ形が違うので、倒れないように積み上げるのが実は大変なのです。お盛物はできるだけ倒れないように積み上げるのが実は大変なのです。お盛物にはできるだけ串を使わないようにしています。見えないところであっても、野菜を傷をつけないように心がけています。
種類ごとに分けて箱詰めし、阿含宗の各本部にお送りして、希望者にお下がりとして差し上げています。お下がりは、神様の世界では「神饌」といって神様の生命力をいただくという意味があります。「星まつり」では神仏の聖なるバイブレーションを受けていますから、食べられる状態のお供物でしたら、できるだけ召し上がっていただくとよいでしょう。
開祖のご著書「アラディンの魔法のランプ(阿含宗出版部)」に説かれていますように、お花そのものを仏様に供えることは事供養であり、これが身供養になると、六波羅蜜の中の忍辱行を実践することになります。忍辱とは「耐え忍ぶ」という意味で、開祖は前掲書で「ただ仏様に献花をするだけでは十分ではない。お花を捧げるそのときに、「自分はいろいろな苦難、迫害に耐えて一生懸命修行を進めていきます」と心に誓わなければいけないのです」と説かれています。  

「星まつり」ではたくさんの立華が供えられていますが、全て信徒の方々の浄財をもとに捧げられているのです。信徒全てが祭壇の前に進んでお花を捧げるというだけにはいきませんので、僧侶と修行者が信徒の皆さんに成り代わって、美しく整えています。   精一杯に美しく咲いているお花を見ると、人は慰められたり、勇気づけられたりします。ですから私たちは部屋に花を飾るわけです。ご先祖や聖なる対象にお花をお供えするのは、そうした気持ちからといえるでしょう。
立華の中心には、「正真松」と言われる松があります。外からは見えませんが一番大切な松で、これがないと立華にはなりません。 その松葉はお札の形をしていて、その場所に最も大事な祈願を書いたお札を掲げています。もちろん、これは阿含宗ならではのものです。
その前面は正真前といって、大切なお花を生けます。
例えば松は、枝を選んで針金で留めるのですが、慣れない人だと1日がかりになることもあります。
スイセンですと、およそ3日がかりになることもあります。小さな花のがくに、直径1ミリ以下の竹串を刺して、花を等間隔に一列に並べます。それを面にして山型に重ねていきます。繊細な細工ですから、時間も手間もかかりますが、それがご供養になるのだと思います。
修行者は15人ほどで、指導の先生と僧侶を合わせて23人ほどになります。
本格的には1月度例祭(1月の下旬の土日)の前から始めます。その前段階の準備は、前年12月から取り掛かります。松などの木のものは、「星まつり」の2、3週間前、枯れやすいお花は5日前から入ります。
1日中、強いお護摩の火を受けて焼けたキクや木などはお下がりとしては出せませんが、孔雀の羽や松と巻いている紐などは、各本部にお送りして希望者にお渡ししています。

立華は全国の信徒の皆さまの浄財をもとにして荘厳され、仏様に捧げられます。「星まつり」ではぜひどのようなお花や木が供えられているのか、よくご覧になっていただけたらと思います。
(出典:【阿含宗全国誌 アゴン・マガジン 2017年1・2月号  炎の祭典・第44回「星まつり」直前特集】より)